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PEOPLE / INTERVIEW【INTERVIEW】NYCマラソンで感じた“走ること”佐藤直樹(NBRCコーチ)

  • インタビュー
  • TEXT BY Kyoka Sasanuma  PHOTO BY Takuya Sakamoto

2017年11月5日に開催された世界最大のマラソン大会、NEW YORK CITY MARATHON(以後:NYCマラソン)。『NBRC』から参加したメンバーに、レースの印象やNYでの“走ること”について話を聞いた。

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城西大学在学中の2008年に箱根駅伝の1区区間賞を獲得し、その後実業団でも活躍した佐藤直樹。現在NBRCのストアイベントでもコーチを務める彼は、今回が2度目のフルマラソン挑戦だ。ひざのケガから充分な調整がかなわず不安を抱えていたものの、2時間51分で完走。アスリートとしての経験を活かしながら現在は多様なランのあり方を発信する彼が、ニューヨークの街で感じたこととは。

──今回は、どんな目標のもとレースに臨みましたか?

大会の2ヶ月前にひざをケガしてしまい、ニューヨークに着いてからランを再開したような状態だったので、今回は「ニューヨークマラソンの魅力を最大限に楽しむ」ことをテーマに走りました。

──実際に走ってみてどうでしたか?

終わってみれば、今までにないくらい感情を揺さぶられ、刺激をもらえた最高の体験だったと思います。当初の想像をはるかに超えていました。

なかでも印象に残っているのは、長いトンネルを越えてマンハッタンに入ったときの声援です。高いビルに囲まれたニューヨークの街並みを、圧倒的な声援のなか走った経験は、まるでドラマの主人公になったような感覚でした。今まで生きてきたなかでも感じたことのないような感動で、涙腺がゆるむほど。赤の他人をあんなにも全力で応援してくれる沿道の方たちの様子が、スローモーションに見えてしまうくらいドラマチックでした。

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──コースの印象についても教えてください。

全体的に路面が固く、終始小刻みにアップダウンがありました。じわじわと脚にダメージが蓄積され、レースの後半には思った以上に疲労がくるようなコースでしたね。また、路面には日本のようには整っていない箇所もあり、捻挫などにも注意が必要。マンホールも多く滑りやすいところがあったり、道幅の差が大きく給水などで詰まることがあったり……正直、記録を狙うのは難しいかもしれません。

ですが、NYCマラソンは記録以上の価値を感じられる大会だと思いました。世界のトップランナーが集まる大会でもあるため、世界の強さを間近で感じることができますし、応援と街並みにもきっと感動するはずです。

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──ゴールしたときはどんな気持ちでしたか?

「ありがとう」っていう気持ちになりました。走り終わったあとにこんな心境になったのは初めてです。楽しい42.195kmを走らせてくれたニューヨークの街、こんなにも後押ししてくれた沿道のみなさん、そして、今回貴重な経験をさせてくれたNBRCのみなさんには、感謝の気持ちしかありません。ケガの影響で完走できるか不安に感じていたこともあったので、耐えてくれたひざにも感謝です(笑)。

──佐藤さんの考える、NYCマラソンのいちばんの醍醐味は何ですか?

街全体が、NYCマラソンを応援していることです。走っているときの声援はもちろんですが、走り終えたあとも、すれ違うひとがみんな「Congratulations!」と言ってくれるんです。すべての完走者が、まるでヒーローになったような気分を味わえるのは、NYCマラソンならではだと思います。

──NYCマラソンの雰囲気は、これまで佐藤さんが参加された日本のレースとどんなところが違いましたか?

箱根駅伝やニューイヤー駅伝などといった大会では、旗を振って応援することが多いのですが、ニューヨークでの応援にはさまざまなかたちがあったのが印象的でした。たとえば、沿道でバンド演奏をしていたり、DJをしていたり、歌っていたり、踊っていたり……いろいろな応援を横目に走ることができるのが面白いですね。

──ニューヨークのランニングカルチャーについて、日本とどのような違いを感じましたか?

ニューヨークでは、「ランニングが根付いている」ということを強く感じました。日本では「なぜ走るの?」というひとも多いかと思いますが、ニューヨークでは「なぜ走らないの?」というひとが多い。視点が逆なんです。健康や体型維持のために走っていることもありますが、ランニングの魅力やマラソンを完走する達成感を、みんなで味わい共感できる街だと実感しました。今回体感したランニングカルチャーを通じて、私自身も日本で一人でも多くの方に走ることの楽しさや魅力を伝えていきたいと、改めて思いました。

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佐藤直樹(NBRCコーチ)

仙台育英高校から城西大学を経て、実業団でも活躍。大学時代には、箱根駅伝に出場し、1区区間賞を受賞。現在はNBRCコーチを務める。 Instagram @naoki_sato.0926

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