Menu

PEOPLE / COLUMN【COLUMN】NEW YORK CITY MARATHON & NEW YORK

  • コラム
  • TEXT BY Chiyo Yamauchi  PHOTO BY Takuya Sakamoto

世界最大のマラソン大会であるNEW YORK CITY マラソン(以後、NYCマラソン)。New York Road Runners(NYRR)が主催し、世界中からランナーが集まるワールドマラソンメジャーズのひとつであるこの大会は今年からニューバランスがスポンサーとなった。世界各国から毎年5万人以上の参加者が集うとあって、11月の第1週目のニューヨークの街はいつにも増して活気付く。そんな中、大会の2−3日前から街では、大小さまざまなイベントが催されていた。

171123_01

中でも、ランニングの聖地、セントラルパーク内で行われるものは特別だ。というのも、11月1日からNYCマラソン大会当日までの間は、ランナーたちの「聖地巡礼の期間」とも言われており、大会に参加する人もそうでない人も、まるで強力な磁場にでも引き付けられるかのように、ここに集まるのである。

NYCマラソンを主催するNYRRは、大会2日前に「ランニング・ヒストリー・ツアー」なるものを催していた。内容は、セントラルパーク内を、観光しながら楽しく走りましょうというもの。ペースは約6:30/kmと、ランニング初心者にもフレンドリーだ。

171123_02

コースは、ランニングに関連するスポットはもちろん「セントラルパークと言えば」なジョン レノンに捧げられたモザイクの記念碑や、パーク内で最もよく映画やドラマの撮影が行われているニレの木の並木通りなどの名所も含むもの。散歩だと回りきれない観光スポットも、ランニングだと限られた時間内に複数の名所を回ることができるのが嬉しい。

171123_03

ランニングに関連のスポットは、例えば、ニューヨークシティ・マラソンの創始者フレッド・レボウ(Fred Lebow)氏の等身大のブロンズ像や、オリンピック選手もトレーニングする、まるでランニングのために作られたかのような一周約5kmの貯水池、そして、数々の伝説を生み出してきたNYCマラソンのフィニッシュラインなど。各名所ごとに、NYRRのコーチが歴史的背景を丁寧に解説。これにより、明後日の大会に参加する人たちがグッと士気を高めたのはいうまでもない。

171123_04

参加者の中には、大会のために海外からやってきたランナーだけでなく「いつも走っている公園のことをもっとよく知りたいので」と地元ランナーの姿も。NYRRのコーチは、このツアーについてこう話す。「セントラルパークなくしては、今日のNYCマラソンの隆盛も、ニューヨークのランカルチャーの成熟もなかったでしょう。そのくらい市民ランナーにとって重要な場所なのです。歴史を知った上で、走ったり散歩するとまた違った楽しみ方ができるので、いろんな人にオススメです」。

171123_05

171123_06同じ日の夕方には、セントラルパークのフィニッシュラインのエリアでパレードが行われていた。オリンピックさながらの熱気に包まれた会場の盛り上がりは圧巻。まず、目を見張るのは参加国の多さ。なんと約125カ国にも及び、フィニッシュラインに続く直線コースには世界各国の色とりどりの国旗がハタハタと翻る。まさに「これぞ国際大会」と呼ぶにふさわしい非日常の高揚感に、皆が胸を弾ませていた。

171123_07

日が沈み、あたりがすっかり暗くなった頃にはパレードも終盤に差し掛かり、最後の国が登場し終わると、花火のカウントダウンが始まった。スリー・トゥー・ワンーーー。

秋の夜空に大輪を咲かせると同時に、アリシア・キースの「In New York〜」の歌声が響く。なんとも粋な演出に、会場の熱気はさらに高まる。「ニューヨーク、ニューヨーク、ニューヨーク!」と、国籍も性別も年齢も違う群衆が一体となって口ずさむーー、そんな光景に、その場の誰もが胸を熱くしたに違いない。

171123_09

171123_10

 

BACK TO INDEX