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PEOPLE / COLUMN【COLUMN】NYRR RUNCENTER featuring the New Balance Run Hub

  • コラム
  • TEXT BY Chiyo Yamauchi  PHOTO BY Takuya Sakamoto

 

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走ること。それはニューヨーカーの日常生活にしっかりと根付いている。休日はもちろん、出勤の前後、また昼休みなどのちょっとした空き時間にも、気分をリフレッシュしにひとっ走りするーー、そんな人々の姿は、この街の景色に、ごく自然に溶け込んでいる。

ランニングが、ニューヨーカーの生活の一部として定着したのは、セントラルパークやハドソンリバー、イーストリバー沿いなど、気持ちのよいランニングスポットが多かっただけではない。そこには、ニューヨークランニングカルチャーのの礎を築いた団体『New York Road Runner(以下、NYRR)』の姿があった。

発足は1958年(当時の名前は『Road Runner Club』)」。「長距離走の父」と名高いアフリカ系アメリカ人のオリンピアン、テッド・コービット氏が、肌の色や宗教関係なく、ニューヨークの全ての市民にランニングの機会を提供することと、ランニングを通じて人々の生活をより豊かにすることを目的に立ち上げた。

そのフィロソフィーは受け継がれ、NYRR主催の市民マラソンは、60-70年代のウーマン・リブ(女性解放運動)やゲイ・リブ(同性愛者解放運動)など、平等な人権を求める市民たちの非暴力かつ健全な社会運動の場としても活用されてきた。この街で、市民マラソンが単なるスポーツイベントではなく、人々の生活と社会にポジティブな影響を生み出すものだと認識されているのは、こういったレガシーがあるからだろう。

創設当初は50人にも満たない小さな団体だったが、いまや会員数は6万人以上。2015年からは「New Balance」とパートナー契約を結び、さらなる事業拡大を目指している。2017年1月にはマンハッタンの中心地、ミッドタウン内に『NYRR RUNCENTER featuring the NB Run Hub』を開設。同新施設は、まさに「ランニングがコミュニティを作り、人々の人生を豊かに育てる」という両者の信念を実現したスペースといえる。

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施設に入ってすぐの壁面には、ニューヨークマラソンの第1回目の広告(当時は手書きであった)など、NYRRの偉大なヒストリーを感じるディスプレイが施されており、インフォメーションカウンター、ランナーたちが自由に使用できる78個のロッカーと更衣室、イベントスペース、また、ニューバランスのストアも併設。ここでしか買えない限定商品も揃える他、(取材したのがブルックリンハーフ大会直前だったこともあり)記念Tシャツなどオフィシャルグッズも多数ディスプレイされていた。両者の新チャリティプログラム「1 for You 1 for Youth(※1)」も注目を集めている。

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センターを訪れるのはローカルのランナーだけでなく「旅行者も多いですよ」と教えてくれたのは、NYRRのジョンさん。定番のセントラル・パーク以外に「オススメの○キロほどのランニングコースはどこですか」「滞在期間中、なにか参加できるランニングイベントはありませんか」など、ランナーたちの様々な質問や要望に応える「ランサービスのハブとして機能させています」と話す。

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年間に主催するイベント数は100以上。ニューヨークシティマラソンやブルックリンハーフマラソンのようなメジャーなものから、日系コミュニティのみ参加可能なレース、中高齢者限定レースなどコミュニティに根ざしたものまで年間80回以上のレースを主催するほか、各種ランニングレッスンや講義も開講する。新施設を軸に、今後さらにどのような活動を広げていくのか世界中のランナーから熱い眼差しが注がれている。

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※1          このストアで靴を1足買うと、ニューバランスから支援団体を通じて、子供たちにもう1足が届けられる取り組み。

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