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PEOPLE / COLUMN【COLUMN】Armory Track

  • コラム
  • TEXT BY Chiyo Yamauchi  PHOTO BY Takuya Sakamoto
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ランニングがライフスタイルに浸透している街、ニューヨーク。New Balanceは、州最大の室内陸上競技場「Armory Track(アーモリー・トラック)」をサポートしている。マンハッタンの168丁目にあるこの施設は、「Armory(アーモリー、日本語で「武器庫」の意味)」という名前の通り、元々は1909年に民兵の研修並びに訓練施設、武器庫として建てられた施設。そのため、外観はまるで中世の城塞のような佇まいである。

全米最大級の室内陸上試合『ミルローズゲーム』の開催地も、2012年にマディソンスクエアガーデンからアーモリー・トラックに移された。同大会は「観客動員数もテレビ視聴率も高く、室内陸上界の『スーパーボウル』とも言われているんですよ」と同施設の共同会長を務めるリタさん。その他にも、2016年にはこの施設で世界記録が3つも更新されるなど、記録が生まれやすい室内陸上競技場の一つとして世界のトップアスリートたちに愛されている。

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室内競技場の特徴であるコーナーに傾斜のついた一周200メートルのトラックと観客席との近さも魅力の一つ。「アスリートの熱が直に伝わる」と人気だ。11月中旬から4月1日までのシーズン中は、100以上もの競技が行われ、12万5000人以上の選手、そして、子供から高齢者まで50万人以上の観客が訪れる。また、学生や一般市民からトップアスリートまで、様々なひとがここで練習を行なっており、「練習しにいったら、たまたまオリンピアン級の選手が横で自主トレーニングをしていた!」なんてこともあるとのこと。明日を夢みるランナーたちにとっても、貴重な交流の場となっている。

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オフシーズンも市民のために有効活用されており、ファッションショーや音楽イベント、オーディション番組の収録、テクノロジーの祭典、大学の卒業式など、様々なジャンルのイベントが開催されている。

トラックの他にも、アスリートが実際に使用した歴代のシューズやユニフォームなどが、保存・展示されており、その見応えも十二分。陸上競技の博物館ともいえる内容だ。

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170715_06また、日本人にとって興味深いのは、「Armory Track」は国立の競技場でありながら、New Balanceのような私営ブランドから公営企業、非営利団体、個人など様々な相手とパートナーシップを築いて運営していることだ。New Balanceとパートナー契約を結んだ際のエピソードも面白い。「2000年頃だったかしら。他にも数々のスポーツブランドがリストに上がっていたので、『どのブランドも違って、どれも素晴らしい。ですので、みなさんと契約を結ぶというのはいかがでしょう?』と、こちらが提案したんです。半分冗談でね。そしたら、ほとんどのブランドがノーと回答。そんな中、New Balanceだけがイエスと答えました。志を同じくしているスポーツブランドと出会えた瞬間でしたね」(リタさん)

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同じくしている「志」とは、スポーツをメインとする施設やブランドでありながらも「アスリートだけでなく、多くの市民を巻き込みながら垣根を越えて共に歩んでいきたい」という想いだ。

スポーツが本来有する、触れる、啓発される、参加する、体験する、楽しむ、持続するといった機会を提供する、まさに「スポーツの殿堂」と呼ぶにふさわしいArmory Track。リタさんは、「国民の生涯スポーツへの関わりを実現する社会づくりを牽引すると同時に、文化の殿堂でもありたい」と語る。

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