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PEOPLE / INTERVIEW速さを求め、ふたつの世界をつなぐYAGI RUNNING TEAM

  • インタビュー
  • TEXT BY Kyoka Sasanuma  PHOTO BY Shuhei Nishida
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◯人数:20〜30名。毎回練習に参加するのは10名ほど。

◯メンバー:年齢層は学生から50代までと幅広い。集まるのは、速くなることを楽しむランナーたち

◯活動拠点:駒沢公園、代々木公園

◯走る頻度:毎週水曜日・隔週土曜日

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2016年7月に発足した『YAGI RUNNING TEAM』。東京五輪出場を目指す現役マラソンランナー、八木勇樹が主催するチームだ。彼が競技者として培ってきたノウハウを活かし、市民ランナーの記録向上をサポートしている。

メンバーには、八木みずからが組んだトレーニングメニューを提供。一人ひとりの目標や、体調、気持ちに合わせて、オリジナルの練習内容が伝えられる。参加のきっかけは、フルマラソンのタイムを縮めるため、八木を応援するため、ダイエットのためなどさまざま。ただ、全員が“速く走れるようになること”を純粋に楽しんでいるのだという。なかには、6分/1kmペースで合計5kmしか走れなかったメンバーが、数ヶ月で4分20秒/1kmペースでハーフマラソンを完走するまでになったことも。「一人ひとり、ランのレベルも体質も違えば、気分が乗らないことだってある。そういう違いを考慮したうえで、力を発揮するために最適なトレーニング方法を提供しています(八木)」。

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現状、アスリートランナーといわゆる“市民ランナー”の世界が交わることは稀だ。同じ“ランナー”であることは変わりないのに、それぞれの世界には大きなギャップがある。そんな日本のランニングシーンで、ふたつの世界が自然と結びつくこのチームは、“陸上界”に新風をもたらす存在になるかもしれない。同じアスリート視点で八木を支える三田は、「ただ追い込むことは簡単だけれど、効果がなければもったいない。時間が限られる市民ランナーが本気で良い結果を目指すには、優れたトレーニングメニューに効率よく取り組む必要があります。アスリートが、市民ランナーのストイックな姿から学ぶこともあるかもしれません」と話す。

チームには様々な競技レベルの人がいる。上級者以外のランナーは継続的に強度の高いトレーニングを行うこと自体が少ない。そういった人には、八木や三田だけでなく、発足当初から市民ランナーの立場でチームを支える沼田がサポートする役割を担う。「今までにない経験をする参加者の人で実現が難しいことがあれば、八木や三田とじっくり話し合います。私がきちんと理解して噛み砕いてから、メンバーの人には伝えるようにしているんです(沼田)」。

練習会でもそれぞれが自分のメニューに取り組むため、集団で走ることはあまりない。あくまでも目的は“速くなること”。練習会に顔を出さずとも、各自がしっかりトレーニングできればいいのだという。それでも、チームの結びつきは確かだ。メンバー同士励まし合ったり、レースの応援に行くことも。互いの存在が刺激になって、切磋琢磨できている。

速くなりたい──確かな目的をもったメンバーたちと、それをサポートしながら自身の競技力向上を目指す現役アスリート。違うフィールドでともに走り続ける彼らの姿は、ランナーたちの新しい関係を見せてくれるはずだ。

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YAGI RUNNING TEAM

八木勇樹 早稲田大学競走部で主将をつとめ、箱根駅伝など数多くの大会で活躍。2016年6月に旭化成から独立し、プロランナーに。東京五輪出場を目指しながら『YAGI RUNNING TEAM』で市民ランナーをサポートする。  三田裕介 八木とは高校時代からインターハイや合同合宿で顔を合わせており、“ライバルであり友”。同じく早稲田大学競走部で活躍した。八木と一緒になって「陸上界を変えたい」という想いをもっている。プロジェクト発足メンバー。 沼田智幸 市民ランナーとしてフルマラソンなどの大会に出場。八木の考えに感銘を受け、ゼネラルマネージャーとしてプロジェクトメンバーに。チームの運営全般を行なっている。

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