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PEOPLE / INTERVIEW自分が納得できる道を選び、切り拓く(後編)八木勇樹

  • インタビュー
  • TEXT BY Kyoka Sasanuma  PHOTO BY Shuhei Nishida
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──『YAGI RUNNING TEAM』として活動するなかで、仲間の存在を意識することはありますか?

チームとしては、基本的にそれぞれが自分の練習をしっかりとやることが重要というスタンスで、かならずしも練習会に来てもらう必要はないと思っています。だから、ひとと一緒に走ることに関してはあまり意識していません。一方で、仲間がいることのよさも実感しています。メンバーのあいだで、出場するレースの情報交換をしたり、応援しあったり……チームで結びつくことがモチベーションアップにもつながっているんです。僕一人が上に立つのではなく、メンバー同士で自然と高めあえるような、とても良い雰囲気のもと活動できていますね。

提供しているトレーニングメニューは、一人ひとりの目標やタイプに合わせたオリジナルのもの。大学で学んだスポーツ科学の知識や、専門家の研究結果をもとに、僕が組んでいます。大学時代はバイオメカニクスの勉強をしていたので、モーションキャプチャでデータをとって、フォームの分析などをやっていました。ほかにも、心理学や栄養学なども学びました。昔から、どうやったら速く走れるのか、探究心が強いほうだったので、スポーツ全般や運動生理学に関してはある程度学んできたと思います。でも、他にも勉強したい分野もありますね。

──会社の運営と、ご自身のトレーニングはどのように両立しているのでしょうか。

よく、会社の運営をしながら競技を続けるには、練習時間の確保が難しいのではないかと聞かれるんです。でも、デメリットと言えることはほぼないんですよ。もちろん、慣れないうちは時間のやりくりにも苦労しましたが。実業団のときも、日中は会社員として勤務する時間がほぼ毎日ありましたから。でも現在は、僕自身の活動に直結する商談や打ち合わせばかり。ありがたいことに、仕事でお会いしたのをきっかけに、応援してくださるようになるひとも多いんです。プロジェクトの幅を広げる一歩にもなりますし、練習の時間以外も、とても意味あるものになっています。それに、基本的にはトレーニングの時間を決めていて、そこにはできるだけ仕事を入れないよう調整しているんです。自身の競技力を向上するための時間もちゃんと確保できていますよ。

──今後、活動をどんなものにしていきたいですか?

本当に速く、強くなるための道って、決してひとつではないはず。そのなかで、自分にとって正しい道を選択できるようになることが大切なんです。だから僕たちは、選択肢のひとつになれるよう、高みを目指せる環境づくりをしていく必要があります。もっと速くなりたいひとや、伸び悩んでいるひとが来たとき、来てよかったと思ってもらえるようにしたい。いずれは、トップランナーにもノウハウを提供できるようになれればと考えています。陸上界を変える大きな活動をするには、まずは実績をつくらなければなりません。僕自身が競技で結果を出しながら、ランニングチームと、5月にオープンするトレーニングジムなどでもしっかりと成果を挙げていきたいと思っています。

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八木勇樹

マラソンランナー。兵庫県立西脇工業高校─早稲田大学─旭化成─YAGI RUNNING TEAM。大学時代は競走部主将として、駅伝3冠、関東インカレ、日本インカレ総合優勝を達成した。2016年6月に旭化成陸上部から独立し、株式会社OFFICE YAGIを設立。プロランナーとして東京五輪でのメダル獲得を目指す。プロジェクトの一環として『YAGI RUNNING TEAM』を発足し、自身の競技力向上とともに市民ランナーのサポートも行う。2017年5月1日、表参道にトレーニングジムをオープン。http://www.yagi-project.com/

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