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PEOPLE / INTERVIEW自分を超える達成感に、満たされて(後編)依吹怜

  • インタビュー
  • TEXT BY Maho Someya  PHOTO BY Takashi Ueda

常に高い視点で今を見つめ、本質をとらえる依吹には余分な力みがない。まっすぐな心で、摩擦なく上を目指している。

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「高校時代は練習の一環として、具体的な目標を言葉に出し、潜在意識に働きかける“アファメーション”や、心を落ち着かせて集中力を高める瞑想といった、メンタルトレーニングもしていたんです」

実際にこの練習が、結果につながっていた。目標や課題を具体的に浮かび上がらせ、そこに意識を徹底的に集中させると試合でいい成績を残すことができた。そうした確かな体験が、社会に出た彼女の中にも息づいている。

誰かに勝ちたい、人からこんな風に思われたい、たくさんの賞賛を集めたい--とかく若いうちは、意識が外に向かいやすく、だからこそ生じる苦しみもある。けれど依吹からは、戦っているけれども苦しさのようなものは一切感じない。

「結果が出なければ当然、辛いし、苦しいけれど、なぜ結果が出なかったのか、そこを深く掘り下げていきますね。絶対に次につなげたいから。でもそれは、誰かとの勝負ではないんですよ。あくまで自分自身を超えるため。そうした中で味わう達成感が好きなんです。だから、立ち止まってしまうことはありません」

そして今、彼女は走ることにも、同じ楽しみを見つけた。

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「未知の距離だった10kmを走りきれたこと。しかも、思ってもみなかった好記録でゴールできたことが本当にうれしい。まさか、こんなにも達成感に満たされるなんて! 自分を超えていく感覚で楽しめるところが、私にとても合っているなって、レースに出て気づきました」

自身を「すぐ本気になりやすい」と分析する依吹は、「次は、もっとイケるはず。自分の限界はもっと上かもしれないから、もう少しだけ攻めてみたい」と、新たな目標がすでに芽生えていることも教えてくれた。

初めての大会で、もうひとつ、彼女は新しい発見をしている。それは、仲間と走るよろこびだ。

「ゴールをした後に、エリサちゃん(ベイカー恵利沙)が、お疲れさまって駆け寄ってきてくれたのがすごくうれしかった。達成感がまたさらに強くなりました。いつか走った後にみんなでご飯を食べたり、呑みに行ったりしようって話してくれて。そんな楽しみ方もあるのかって、なんだかもう好奇心ばかりが強くなっています。」

新しい景色を見ることができるなら、自身の違う側面を引き出せるなら、彼女はきっと、どんなことも笑顔で挑戦し続けていくはずだ。そこから広がるつながりは、依吹怜をどんな世界へと導いていくのだろう。

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依吹怜

ファッションモデル。1990年生まれ。順天堂大学 スポーツ健康科学部卒業。小学3年生の頃よりバレーボールを始め、学生時代は選手として一線で活躍し、現在も趣味として続けている。日常的にスポーツを楽しみながら、主に女性誌を中心に活躍している。

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