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PEOPLE / INTERVIEW自分を超える達成感に、満たされて(前編) 依吹怜

  • インタビュー
  • TEXT BY Maho Someya  PHOTO BY Takashi Ueda

ゴール直後、「すごく気持ちよかった」と声を弾ませる、ファッションモデルの依吹怜。

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大学で、スポーツ科学を学び、現在も日常的にスポーツと親しんでいる彼女だが、「走ること」に出会ったのは、意外にも遅く、約5カ月前のこと。『湘南国際マラソン』10kmに出場した彼女にとって、レースはもちろん10kmの距離を走ることは初めての経験だ。スタート前は、緊張と、かすかな不安が表情を硬くしていた。けれど、走り終えた今は清々しい笑顔に満ちている。

「走ることの新しい楽しさに目覚めた気がします」

後方からスタートをした依吹は、ほかの参加者からだいぶ離れていることに焦りを感じ、ペースをどんどん上げていく。ふと、手元のスポーツウォッチに目をやると、いつもより1分以上も早い。7分/kmが自分の出せる限界だと思い込んでいたが、じつはそうではなかったことに胸が高鳴る。「普段は、体と心をリセットしたくて走っていました。だから、息が上がらないようにすることばかり意識しすぎていて、本当の意味で自分が出せるスピードを知らなかったんです」

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レースに出たことで、思いがけず、今まで走った中では一番早い5分45秒/kmでも苦しくないことを知った。そして同時に「そうだ、これだ」という、手ごたえをつかんだ。

「小学3年生の頃から、今までずっとバレーボールをやっているんですが、現役時代の感覚が蘇ってきたというか“自分を超えていく感覚”が、好きだってことを再確認したんです。考えてみれば、モデルの仕事もそう。だから、夢中になれるのかもしれません」

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選手として本格的にバレーボールに取り組んでいた学生時代。大学では競技の一線で活躍するかたわら、体育の教員免許を取得するほどスポーツの世界に情熱を傾けていた。けれど、大学を卒業した後はモデルの道へと進む。

「モデルになろうと決めたのは、大学3年生の頃。これといった明確な理由はないんですが、直感が働いて。なぜか今やらないとダメだって思ったんです」

周囲から「なぜ?」と問われることもあったが、「実際にモデルの仕事をするようになってからわかったことですが、スポーツと同じで、メンタル勝負なんですよね」と微笑む。

「モデルの仕事も、試合のように1回、1回がすごく大切で、自分に集中していないとチャンスを逃してしまうから」

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そのために、段階的に目標を設定する。たとえば、1kg体重を落とす、CMの出演本数を増やす……といった具体的な目標を3カ月スパンで立て、紙に書き出す。

「自分と向き合って、それを超えていくのが好きなんです」

“すべては努力した結果”ということが腑に落ちている彼女は、誰かと自分を比較して嫉妬にとらわれることもない。

「一人ひとり力を発揮できる場所は違うから、周囲に気を取られることはありません。それよりも、自分が輝けることに精一杯取り組みたい」

 

依吹怜

ファッションモデル。1990年生まれ。順天堂大学 スポーツ健康科学部卒業。小学3年生の頃よりバレーボールを始め、学生時代は選手として一線で活躍し、現在も趣味として続けている。日常的にスポーツを楽しみながら、主に女性誌を中心に活躍している。

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