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PEOPLE / INTERVIEW私がここにいる意味を、愛せるように(後編)ベイカー恵利沙

  • インタビュー
  • TEXT BY Sakura Sugawara  PHOTO BY Takashi Imai
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ランをしていると、ほとんどの女の子に「痩せましたか?」と聞かれる。彼女自身も、学生時代は無茶なダイエットを繰り返した。あの子の脚、あの子の腕。いつも誰かが気になって、自分から魅力を引き算してばかり。そんな毎日に疲れて、ダイエットを辞めた。心に重く沈殿していた“理想”が消えるとともに、ほかの誰かは気にならなくなったという。痩せていることだけが、絶対ではない。

「私のブログやInstagramでもずっと書いてきたことだけど、これからは、もっとわかりやすく見せていければいいなって。だから私が今回いっしょに走りたいのは、それを体現しているメンバーです。痩せるためとかじゃなくて、もっと自分の気持ちや内側のために、身体を動かしている子たち。そんなヘルシーなマインドの女の子たちが、みんなで楽しくいきいきと走っていたら、素敵じゃないですか?」

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自分の気持ちや内側に目を向けること。恵利沙自身も、その意義をひしひしと感じている。身体との向き合い方を変えたら、さまざまなことがうまくいくようになった。彼女の仕事が順調に回り出したのも、そのころだ。

「みんなが同じ“かわいい”を目指すループから抜けて、目が覚めたんですよね。そのひとにしかない“かわいい”を探しながら、自分の人生を楽しんで生きていくほうが、ずっと素敵。そう思ったら、いままで嫌いだった自分の筋肉質な脚も好きになれました。いろんな体型のひとがいていい。そのぶんだけ、私のいる意味があるって感じられたんです」。

あらかじめ出来上がっている“誰か”の枠にはめなくていいのなら、自分の輪郭はこんなにもいとおしい。

「昔は、自分のしていることを、もっと説明できなくちゃいけないと思っていました。将来こうなりたいから、いまは何をしていて、次はこうする。目標と道筋をはっきり描くようにって、どこかで習いませんでしたか? それがうまくできなくてつらい時期もあったけれど、いまは『わかりません』って言えるようになった。だって、いまの私が楽しくやっていることで、一年前の自分に想像できていたことなんて、ひとつもないんです」。

いましていることが何に繋がるのかは、あとで分かるのだという。私があのときしていたことは、このためだったのかと。数年前、モデルのかたわらでスタイリストも始めた。最近では洋服にとどまらず、プロップのスタイリングも手がけている。発信すべきメッセージを咀嚼して、自分の組んだアイテムたちに託す仕事は、予想以上に面白い。昔の恵利沙が想像もしていなかった――でも、とても向いている――世界は、いまも広がり続けている。

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ベイカー恵利沙

モデル・スタイリスト・『ELLEgirl』 キュレーター。1989年生まれ。オレゴン州と千葉県育ち。モデルをしながら、2014年よりスタイリストとしても活動を開始。4度のフルマラソン完走経験を持つなど健康的なライフスタイルも支持を集めている。

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